バナナはおやつ

しがないOLの人生とその先について。

告白されて動揺した話

 

わたしには、異性の恋人がいる。

ひとつ年上の、職場で知り合った人だ。何度か二人で出掛けた後交際を始めた。

 

本当は、全く、そんなつもりはなかったのだ。だが、話していると楽しくて、仲良くなりたい気持ちが強くて、そういう関係に落ち着いた。

 

私は、昔から、というか以前はレズビアンだった。LGBTのLの部分だ。性自認が女で、女の人しか好きになれない(と思っていた)からだ。

だから今の人に告白されて、正直混乱した。異性である感じがしなかったのは確かだったが、恋愛対象ではなかったからだ。ただただ、「仲のいい同性の友達に告白された」感じ。最初は、断ろうと思った。しかし、(私にとっては同性のような距離感でいられる)友人を失いたくない気持ちが勝ってしまったのだ。

 

以前にも、異性である感じがしない友人がいたことがある。今は疎遠になってしまったが、とても気が合って一緒にいると楽しかった。疎遠になったきっかけのひとつは、私のことを相手が「異性として見ている」ことに気づいてしまったから。勿論会うタイミングだとか、そういう要因もある。だが大きなきっかけはこれであったと思っている。

 私は、私自身が異性としてみられていることに気持ち悪さを感じてしまった。

 

気持ち悪さの原因は、はっきりしたことはわからないが、きっと、

①距離感

②好意の表し方

このふたつが大きな原因ではないかと思っている。そしてこの中でも、どちらかといえば①距離感が大事な気がしている。

 

そもそもなぜ今の人と付き合っているのかと考えてもみたが、性別の垣根を乗り越えたきっかけがよくわからない。「私自身が異性として見られていることに嫌悪感を感じた」と先ほど述べたが、それは今の恋人も同じはずである。「向こうからすると恋愛対象であった=異性として見ていた」から告白された訳で、そうなるとつまり私が感じる気持ち悪さ云々を告白に返事をした時点で軽々飛び越えていることになる。

 

今の恋人は、見た目は完全にオスである。中身もオスである。が、 一緒にいると楽しいのだ。一緒に居たいと思う。

 

ここまで考えて、思い当たることがひとつ。私が今の恋人や例の友人を「異性である感じがしない」「同性のような友人」と思ったのは、「話しやすさ」が原因なのでは?

初対面の、これから仲良くなりたいと思っている女友達とするような他愛ない話を、初めて会ったときになんとなく適当に、することができたのだ。この「なんとなく適当に」がとても重要で、女子同士の距離感以上に彼は近付いてこなかった。女子同士の初対面の距離感は、結構遠い。

 

今思うと下心からそうしてくれていたんじゃないかとも思うけれど、それでもやっぱり楽しかった。

彼氏がどうの、とか、女の子は~とか、性別を意識させるようなそんなは話ひとつもなかった。ただただ、何がすきだとか、仕事がどうのとか、そんな話をした。

 

今思えば、話がうまい彼に丸め込まれた気がする。たぶんその通りだ。

 

昔から異性と付き合うことはなくても、セックスすることに嫌悪はなかった。だから、所謂世間のイメージの「レズビアン」のような、男の人に嫌悪感やトラウマがあったわけでない。ただなんとなく、女の人にしか恋愛感情を抱いてこなかったからレズビアンだと思っていた。男の人はみんな高圧的で、話を聞いてくれなくて、力や言葉で支配しようとしてくると思っていた。特にこれといった出来事があるわけではない。きっと距離感が掴めなかったのだ、相手が異性であるというだけで。

 

人間は、女性であろうと男性であろうと、性格の部分に両性を有していて、相手の男性の、「私のイメージする女性性」の部分に惹かれて付き合い始めたのかもしれない。そうなると私は未だにレズビアンなのかな。いや、違うんだけどさ。